【星空マスター便り vol.25】 こと座
今週も皆さまに星空マスターより明日話したくなる星空の知識をお届けいたします。
今回は、「夏の大三角」のひとつであり、夏の星座や星を見つける目印になっている「こと座」を紹介いたします。
【こと座】
●天の川を飾るおりひめ星 ベガ
「こと座」は、夏を代表する星座の一つで、楽器のたての琴の形を表した星座です。
特にα星のベガは、夏の大三角を形作る星の一つでもあります。
このベガは、日本では七夕の「おりひめ星」で有名です。一方の「ひこ星」は「わし座」の1等星アルタイルで、2つの星の間には七夕伝説のとおり天の川が流れている。実際のお互いの距離は約15光年あると言われています。
そんな「こと座」の目印は、小さくまとまった星座ですが、北の空に位置しているので、時間を問わなければ、一年を通して夜空のどこかで見ることができる星座でもあります。
●オルフェウスの悲しい物語
こと座の神話は、竪琴の名手オルフェウスとその美しい妻エウリディケに関わる物語です。
オルフェウスは、芸術の神アポロンの息子で、ギリシア一番の琴の引き手でした。
オルフェウスには、美しい妻エウリディケがいました。 二人は結婚以来幸せに暮らしていましたが、エウリディケは野原で花を摘んでいるときに毒蛇にかまれ、 死んでしまいます。 これを知ったオルフェウスは、妻を取り戻そうと決心し、冥界まで下っていきます。
冥界に下ったオルフェウスは、冥界の王ハデスに妻を帰して欲しいと懇願します。 最初は頑なに拒否していたハデスですが、オルフェウスの引く美しい竪琴の音に魅了されてしまい、 エウリディケを地上に戻すことに同意します。 ただしここで「冥土から地上に上がるまでは決して振り返ってはならない」と条件が付けられます。
喜んだオルフェウスは、地上に続く道を歩き続けますが、途中で妻が本当についてきているかどうか不安になります。 あともう少しで地上というところで、我慢しきれずに振り返ってしまい、 妻は叫び声と共に冥界に連れ戻されてしまいます。
オルフェウスは自分の犯したことを後悔し、気が狂って川に身投げしてしまいます。 その音楽の才を惜しんだゼウスが、オルフェウスの竪琴を天に上げ、こと座としたということです。
美しいこと座が華やかに輝く夏、星座の神話に思いを馳せながらグランシャリオ北斗七星135°にて夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。皆さんのお越しをお待ちしております。
▼「星空マスター便り」バックナンバー
vol.22 星空観察の注意点
vol.23 星空観察の持ち物
vol.24 はくちょう座
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