【星空マスター便り vol.9】冬の星座~りゅうこつ座編~
今週も皆さまに星空マスターより明日話したくなる星空の知識をお届けいたします。
今回は、全天で2番目に明るい星である「カノープス」がある冬の星座「りゅうこつ座」についてです。
【りゅうこつ座】
●長寿の星 カノープス
りゅうこつ座のカノープスは、おおいぬ座のシリウスに次いで全天で2番目に明るい星です。探し方は、南の地平線ぎりぎりの位置を探しましょう。シリウスから地平線のぎりぎりまで南下した先にあります。
しかし、日本の多くの地域でのカノープスの南中高度(南の空で最も高くなる時の高度)は低く、見つけにくい星としても知られています。
そのため、中国では、カノープスを「南極老人星」と呼び、この星を見ると寿命が延びる、という言い伝えがあります。
●苦難をともに乗り越えた海の相棒アルゴ号
りゅうこつ座自体は新しく設定された星座なので、神話や伝説などは伝わっていません。しかし、りゅうこつ座が設定される前の「アルゴ座」は、ギリシャ神話に基づいている星座です。
イオルコスの王アイソンの息子イアソンは、父親が病弱なのを理由に叔父であるペリアドに国を乗っ取られてしまいます。イアソンが王位を継ぐためには、コルキス王国の王が持つ黄金の羊の毛皮を持ってくるように意地悪なペリアドから要求されるのでした。そのためイアソンは巨船アルゴ号を建設し、50人の遠征隊を集い船出をしました。
この遠征隊を乗せた船がアルゴ座のモデルです。そして、このアルゴ船の背骨にあたる部分の竜骨を独立させたのが「りゅうこつ座」になります。
苦難の連続の航海を乗り越え、無事金色の羊の毛皮を持ち帰ることに成功したイアソンは、叔父ぺリアドを倒して王になりました。
※こちらは、2022年2月21日にスタッフが撮影した星空の写真でございます。
美しいりゅうこつ座が華やかに輝く冬、星座の神話に思いを馳せながらグランシャリオ北斗七星135°にて夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。皆さんのお越しをお待ちしております。
▼「星空マスター便り」バックナンバー
vol.6冬の星座~おうし座編〜
vol.7 冬の星座~ぎょしゃ座編~
vol.8 冬の星座〜ふたご座編〜